アーミッシュ村を訪問して

Visiting Illinois Amish


 アーミッシュ(Amish)ってご存じだろうか?アメリカ開拓時代のそのままに現代文明を否定しているプロテスタントの一派である.知人に教えられ,車で1時間ほど行った Arcola というところにあるアーミッシュ村を訪問した.

 キリスト教プロテスタントのメノー派に属するスイス人アマン Jacob Ammann(1644?‐1730?)が,17世紀末に始めた一宗派.初期にはアルザス,スイスなどに広がったが,世間との接触をさけていたため迫害され,アメリカへは1727年から50年にかけて多数がペンシルベニアに入植,そこからオハイオ,インディアナ,イリノイ,ネブラスカなどの中西部に移動していったドイツ人の子孫という.聖書解釈において厳格主義をとる.全米で10万人,中西部を中心に約20ヶ所の集落がある(平凡社世界大百科事典より)

 ここイリノイへの最初の入植は1865年という.ここのアーミッシュ村は,36平方マイル(約100平方キロメートル),約4,000人のアーミッシュの人たちが住んでいる.生活様式は,昔ながらの農業を主とし,自給自足を基本に質素な生活を営んでいる.徹底的に保守主義,平和主義で,現代文明をさける.ボタンは軍服を連想させるとかでひもやホックを使う.主に農業従事がであるが,家具や,木工製品なども作り,野菜やフルーツの加工品や木工品などは人気があり,最近はそれも大切な収入源になっているそうだ.

 丁度訪問したとき,6頭立て馬を使ってトウモロコシ取り入れ後の農地を耕作していた.また移動には自動車は使わず馬車や自転車を使う.この村にはいるとパカパカとひづめの軽快な音を立てながら快走している馬車を多く見かけた.自動車で走るのがなんか申し訳ない気分になり,こちらも自然とスピードをおとす.すれ違うとみな手を振ってにこやかに挨拶してくれる.各家には自動車に代わって馬車があり,各所に馬車駐車場がもうけられている. 各家庭には電気が引かれていない.明かりはガス灯が使われている. アメリカでは洗濯物は乾燥機で乾かすが,ここでは天日で乾かす.庭には鶏が放し飼いにされ,また,七面鳥や孔雀が遊んでいる.

 しかし,アーミッシュの人たちは現代文明に同調はしないが,決して敵対しているわけではない.緊急用に,村で共同の自動車を持ち,また非常時には電話を利用する. 教育については,ほとんどが公立学校には行かず,自分たちの作った Amish school に8 grade (日本でいうと中学2年に相当)まで行く.農夫には高等教育が不要という理由だからそうだ.高校や大学には行かないのか?16歳になると洗礼を受け,一生アーミッシュとして暮らすか,共同体を離れるかを選択するが,8割が残るそうだ.

 世界人口の3%の国が世界の資源の30%を「浪費」するこの国において今なおこのような生活をまじめに体現しているのを目の当たりにして,自分たちの失ったものを見せられた思いがした.環境破壊真っ只中の危機にあっても,お忙しく動き回り,資源を消費しなければ回転しない社会って何だろうか?環境派のにわか実践者に変身したわけではないが,すれ違ったときの彼らの明るい笑顔を思い出すと,何ともすがすがしい気持ちになる.

  なお,ハリソン・フォード主演の映画「目撃者」は,ペンシルバニア州のアーミッシュ 村が舞台となっている.


(写真をクリックすると拡大します)
6頭立ての馬による,冬に備えてのトウモロコシ畑の耕作風景 各所に設置されている馬車駐車場 村の中の雑貨屋.電灯はなく,ガス灯が設置されている 住民の移動は,もっぱら馬車と自転車 農家の庭先で.洗濯物が干してあるのここアーミッシュ村だけ 農家の庭先.馬車が置かれている 農家の庭先.綺麗な孔雀.その他鶏,七面鳥が走り回っていた

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